デザインのこと

ネット広告が主流の今、屋外広告の効果とは?

Design Production NEONEです。
コロナウイルスが流行ってるということでテレワークなるワードが浸透してきましたね。

私はフリーランスデザイナーとして自宅兼事務所で作業してるので、もう10年以上テレワーク状態です。
会社に縛られない生活はいいですが、ひたすら孤独との戦いでもあるので、おそらくみなさんが思ってるほど羨ましい感じでもないです(笑)

さて、今日の話題です。

ネットが主流の時代となり、画面の外での広告は少しずつ減ってきています。
個人的にはその分グラフィックデザインの仕事が減るので困るのですが(笑)、果たしてネット広告以外の広告はもう時代遅れでしょうか?

今日はその中でも事業主さんがお店や会社を立ち上げた時やイベント時に出すであろう、屋外広告に絞ってお話しします。

よく見る屋外広告8選

屋外に出す広告もいろんな種類があります。
ここではよく見られる屋外広告を8つ紹介します。

❶屋上広告

屋上広告は、ビルなど建物の屋上に設置する広告のことです。
街に出ればいたるところで見かけるので、すぐ思い浮かぶかと思います。
交通量や人の行き来が多い場所にあり、非常に目立ちます。
屋上広告を出すには長期契約が一般的で、金額は人が集中する繁華街などでは年間数千万円もの金額がかかります。

❷壁面広告

壁面広告は、建物の壁に設置する広告のことです。
ファッションビルや駅構内の壁などに掲示する広告でこちらも非常に多い広告の一つです。
LEDのディスプレイを用いて動画としての広告も最近は増えています。
契約期間は1週間単位や月単位など様々で、料金も設置場所により大きく異なります。

❸電柱広告

電柱広告は、電柱に巻く・もしくは突き出して掲示する広告です。
スペース的にも大きくはないので、近所の病院だったりお店だったり、地域密着型の広告が多いです。
電柱1個あたりの掲載料金は地域差はありますが、年額で2万円前後くらいとかなり安いですが、1本だけだと広告の効果はほぼ無いため、実際は数十本の電柱に連続的に掲載することがほとんどです。

❹アーチ看板

アーチ看板は建物の入口に設置される広告です。
歩道や車両をまたぐように設置されるので、大きな施設や観光地などで道路の上に「ようそこ●●へ」みたいな案内もあれば、商店街の入口にもいろんなお店の広告を入れたアーチ看板があります。
地方に多い屋外広告と言えます。

❺懸垂幕

懸垂幕は、百貨店や大型ショッピングセンターの壁に垂れ幕として掲載する広告です。
「懸垂幕」は縦型、対して横型のものを「横断幕」と呼びます。
イベント時やセール時など、一時的に掲載する広告として比較的効果が高い宣伝方法です。
広告ではありませんが、高校の部活動で優勝したりすると学校に幕を垂らしますが、あれも懸垂幕です。
基本的に百貨店やショッピングセンター内のイベントの広告なので運営会社やテナントの広告として使われます。

❻突き出し看板

突き出し看板は、建物の壁などから突き出して設置される看板です。
「このビルにお店がありますよ」ということがすぐにわかる看板です。
歓楽街に行けば雑居ビルに無数にいろんな店舗の看板が壁のボードに掲示されてますが、あれが突出し看板です。

❼吊り下げ広告

吊り下げ看板は、天井から吊り下げるタイプの広告です。
地下街や、駅構内、プラットホームなどに多い広告です。
場所的に目立つ広告ではありますが、最近は歩きスマホをしてる人も多いので、頭上の広告はあまり視線に入ってないかもしれないですね。

❽ラッピング広告

ラッピング広告は、電車やバスなど車両本体を広告で包んで(ラッピングして)しまう方法です。
電車やバスなど利用する人の視界に必ず入る上、移動することで交通機関を利用しない人の目にも留まる、非常に目につく広告です。
契約期間は月単位または年単位で月単位であれば地域によりますがバスなどは数十万〜掲載できます。

 

屋外広告を出すメリット

以上のように屋外広告と言っても様々な種類があります。
では、ネット広告が増えた今、料金の高い屋外広告を出すメリットはあるでしょうか?

屋外広告を出すメリットはもちろんあります。

株式会社オリコミサービスが実施した「屋外広告に関する意識動向調査」のアンケート結果では、屋外広告の全体の約43%の人が意識して目にしているという結果が出ました。

そして、その屋外広告を目にした後で実際に広告について調べた人が33.7%いたそうです。
さらに、広告の商品やサービスを購入・利用した人は15.7%いた結果が出ました。

「屋外広告に関する意識動向調査」株式会社オリコミサービス調べ

例えば、私の住んでいる札幌市であれば一番利用者の多いJRさっぽろ駅に壁面広告を各路線の地下壁面に出したとします。JRさっぽろ駅の1日の乗降客数が約20万人です。
ただ、1人が通勤通学で往復すると考えると、ざっくり人数的には半分の10万人と換算すると、広告を意識して見る人が約43%でざっと毎日4.3万人いるわけです。

なお、地下鉄は無視してますので、地下鉄でさっぽろ駅を利用する方もいれたら倍近くの人数となります。

かなりの人数ですよね?
それが掲載期間中毎日毎日続くのです。

東京だと恐ろしいことになりそうです。笑

屋外広告のメリットをまとめると、簡単に以下のようになります。

  • 不特定多数の人に強くアピールできること
  • エリアを絞ればターゲットに沿った広告が出せること
  • 反復効果があるためそこを通るたびに日に日に頭に刷り込まれ強く印象に残ること

この3つが挙げられます。

対して、ネット広告は自分が見るサイトに表示されるため、こちらからサイトにアクセスするアクションを起こさない限り見られません。
そもそも広告を見るためにサイトをアクセスするわけではないので、サイドや下部にある広告に注目する人は少ないんじゃないかと思います。


むしろ最近は広告を外す「コンテンツブロッカー」というアプリもたくさん出てきて、そもそも広告を外そうとする動きが見られてきてます。

まとめ

このように、屋外広告はネット時代の今でも安定した効果が期待できると言えそうです。
ただ、掲載料金の高い屋外広告がほとんどなので、費用対効果を発揮させるには、上の調査結果にもありましたがネットで検索する時代ですので、ネットに呼び込めるような工夫が必要です。

例えば…
壁面広告で広告と一緒に自撮りしたくなるようなデザインや、インスタ映えしそうな広告を出してインスタやツイッターでシェアしてもらう
・屋上広告にQRコードを取り入れ、遠くからでもQRコードを読み込めすぐに検索できるようにする

などなど、うまくネットと融合するような形で広告を出すのが屋外広告の成功の鍵と言えそうです。

広告予算の許せる事業主さんはチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

Design Production NEONE

 

藤本洋史藤本洋史

藤本洋史

グラフィックデザイナー兼アートディレクター

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