最近は生成AIやcanvaなどの無料アプリによって、手軽に「ロゴっぽいもの」を作れる時代になりました。見た目は立派に見えても、それが本当に「ロゴ」と呼べるのかは別の話です。
この記事では、ロゴっぽいものと本物のロゴの違いを、「人」に例えながらわかりやすく解説し、無料ツールに潜むリスクについても触れていきます。
「ロゴっぽいもの」とは?

「ロゴっぽいもの」とは、生成AIやcanvaなどの無料アプリで作られた、一見それらしく見えるデザインのこと。
アイコンやフォントを組み合わせてできているだけで、ブランドの物語や理念を反映していません。
人に例えると、顔立ちだけ整えたプロフィール写真のような存在です。
外見は整っていても、生い立ちや信念、社会での振る舞いが欠けているため、長期的に信頼される“人格”にはなりません。
本物のロゴが持つ役割

一方で、本物のロゴは単なる飾りではなく、ブランドそのものを象徴します。
ヒアリングを反映させた「背景」、コンセプトを徹底的に研ぎ澄ました「骨組み」、どの媒体でも使える「機能性」、この3つが揃っているものをDesign Production NEONEは「ロゴ」と定義しています。
人に例えると、顔だけでなく生い立ちや価値観、振る舞いまで備えた“人格”に近い存在です。
- 背景 = 生い立ちや人生経験
企業の歴史や理念を映し出す部分。人で言えば「どんな環境で育ってきたか」という生い立ちにあたります。これがあるからロゴに深みと説得力が生まれます。 - 骨組み = 信念や価値観
徹底的に研ぎ澄まされたコンセプトは、人の「信念」や「価値観」に相当します。ぶれない軸があることで、ブランドの個性や一貫性が強調されます。 - 機能性 = 社会での振る舞い・適応力
名刺、看板、SNSなど様々な媒体で活躍できるのは、人が状況に応じて自然に振る舞えるのと同じ。場面を選ばず機能する柔軟性が本物のロゴには備わっています。
つまり「ロゴっぽいもの」と「本物のロゴ」の違いは、外見だけか、人格全体を持っているか。
その差は大きいのです。
無料ツールに潜む3つの落とし穴

1. 著作権・商標のリスク
既存素材を安易に流用すると、他社ロゴと酷似してしまい、法的トラブルに発展する可能性があります。
特に「フリー素材=著作権もフリー」と誤解して、そのまま使ってしまうのは非常に危険です。
実際にはフリー素材にも利用規約や権利制限があり、用途によっては商用利用が禁止されているケースもあります。
もしロゴを完成させた後に著作権侵害が判明したり、他社ロゴと酷似しているため商標登録できなかった場合、時間も費用も大きな損失につながりかねません。
2. ブランド力の希薄化
生成AIやcanvaなどの無料アプリで作られたロゴは、使える素材やレイアウトが限られているため、誰でも似たようなデザインを作れてしまうのが問題です。
その結果、他社と似通った印象になり、独自性や個性が伝わらなくなります。
ブランドの第一印象を決めるロゴが「どこかで見たようなデザイン」では、せっかくの事業や商品の価値が伝わりません。
さらに、信頼性が薄いと「安っぽい会社」「すぐ消えそうなサービス」と受け取られるリスクもあります。
ロゴは顧客にとって会社の“顔”です。ここに独自性がなければ、長期的なブランド構築は難しくなります。
3. 長期的な利用に不向き
生成AIやcanvaなどの無料アプリで作られたロゴは、一見すると「ずっと使えるロゴが手に入った」と思わせてくれます。しかし実際には、使い続けるうちに機能性の不足が明らかになるケースがあります。
例えば:
- SNSのアイコンでは見えるけど、印刷物にすると掠れて読めない
- モノクロ印刷や小さい名刺サイズにするとデザインが崩れる
- 看板やパッケージなど大きな媒体にするとバランスが悪い
これは、ロゴの設計段階で「どんな媒体でも使える機能性」が考慮されていないからです。
本人は長期的に使うつもりで導入しても、事業が拡大するにつれて必ず限界が露呈してしまいます。
プロのロゴデザインがもたらす価値

生成AIやcanvaなどの無料アプリで作られたロゴと大きく違うのは、プロのロゴには「戦略」と「設計」があるという点です。見た目の美しさだけでなく、ブランドの未来までを見据えてデザインされます。
- オリジナリティの確保と法的な安全性
ゼロから設計するため、既存素材との重複リスクが少なく、著作権・商標の観点からも安心です。ブランドに固有の「顔」を持たせられます。 - ブランドストーリーを組み込んだ設計
事業の理念やビジョンをヒアリングし、それをロゴに落とし込むことで「背景」が宿ります。単なる図形ではなく、企業の物語を表現するシンボルになります。 - 多様な媒体に対応できる展開力
名刺や看板など大きさが変わっても見やすく、モノクロや刺繍といった特殊加工でも崩れない。どんな媒体でも機能する「柔軟性」を設計段階で織り込みます。
この3つが揃って初めて、ロゴは「単なるマーク」から「ブランド資産」に進化します。
写真のロゴは弁護士事務所のロゴですが、業務内容やビジョン、代表の人柄から、繁栄と幸運をもたらす縁起のいい動物のリスを選びました。マークは様々な「エン」に恵まれるよう全て真円で作り、日本古来より神聖な動物とされていることから、日本古来の白銀比を用いて設計しました。無料ツールでは不可能な造形です。
まとめ
無料ツールで作られた「ロゴっぽいもの」は、顔立ちだけ整えた表面的な存在にすぎません。背景(生い立ち)、骨組み(信念)、機能性(社会での振る舞い)を備えた“人格”としてのロゴこそが、事業を長く支える本物のロゴです。
短期的に便利に見えるロゴでも、著作権や商標のリスク、ブランド力の希薄化、媒体展開での不具合といった課題は避けられません。だからこそ、ブランドを守り、育てるためにはプロによるロゴデザインが不可欠です。
ロゴは単なる飾りではなく、企業やサービスの未来を映す「資産」。安易に済ませるか、投資として育てるかで、これからの信頼や成果は大きく変わります。
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